悪用厳禁:Googleが解明した人が思わず買ってしまう心理の正体「Messy Middle」
「Messy Middle」とは?
― 人はなぜ迷いながら買うのか ―
こんにちは。
今日は、人が何かを買うまでにたどる道のりについて書いてみたいと思います。
というのも、
最近、キッチン用品をひとつ買おうとしただけなのに、何日も比較していました。
レビューを見て、SNSを見て、またレビューに戻る。そんなことを繰り返していたんです。
今と昔では、商品の買い方は大きく変わりました。
しかも、こうした購買行動を大企業が莫大な予算をかけて研究している。
そう思ったとき、少し引っかかるものがありました。
私たちの買い物は、思っている以上に誘導されているのではないか。そんな違和感です。
レビューを見たり、SNSをチェックしたり、
別の商品と比べたりしているうちに、迷ってしまう
すぐに決められず、何度も調べた経験はだれもがあると思います。
それをGoogleやAmazonといった巨大テック企業は、膨大なデータから日々改善を繰り返しています。
自分の意図しないところで、もしその商品を購入するように誘導されていたらと思うとちょっと怖いですね。
実はこの行動には名前があります。
それが 「Messy Middle(メッシー・ミドル)」 です。
この考え方は、Googleの「Think with Google」で紹介されているものです。
最初は難しい理論だと思って読み飛ばしそうになりました。
しかしそうではなく、マーケティングの仕組みそのものだなと思いました。
これは売り手にとっても必要な視点です。
でも同時に、買い手にとっても知っておいたほうがいい話だと思いました。
大切なのは、次の一言に集約されます。
「魅力に反応するのではなく、価値を見極めること。」
Messy Middleを知ることで、人を操るためではなく、
賢く選択するための知識としてもってもらえたら幸いです。
そもそも「Messy Middle」とは何なのか
Messy Middleとは、商品を知ってから購入を決めるまでの、
迷いや比較が入り混じった複雑な過程のことです。
人の購買行動は一直線ではありません。
行きつ戻りつしながら、最終的な選択をします。
その過程は人によって異なります。
けれど、消費者がどのように情報を整理し、判断しているのかは、長い間はっきりと分かっていませんでした。
研究では、文献調査や観察調査、検索トレンドの分析、さらには大規模な実験などが行われました。
その結果、購買の意思決定の仕組みが徐々に明らかになっていきました。
私たちは、なぜ探しては比べてしまうのか
消費者は、商品やブランドについて情報を集め、比較しながら検討します。
この過程には、2つの思考があります。
- 探索(探す):情報を広く集めること
- 評価(比べる):選択肢を絞ること
検索エンジン、SNS、比較サイト、レビューサイトなど、インターネット上での行動は、この2つの間を行き来しています。
例えば
「最近、ちょっと肌荒れが進んでいるから砂糖を抜いてみよう」
「腸内環境を整えるためには、小麦を抜くのがいいらしい」
「おしゃれなお皿を使うと、作ったご飯も美味しく見えそう、でも割れないのがいいな」
「砂糖と塩分の代謝がわるくなって、薬を増やされちゃったからご飯を見直そう」
などなど
日頃の湧いてでてくる色んな思考を巡らせながら
ああでもない・こうでもないと商品をみていきます。
つまり、人は迷う。
そして、選ぶ。
商品購入を後押しする6つの心理
Messy Middleでは、言葉が意思決定に与える影響も調べ尽くされています。
たとえば、「安い」という言葉は比較的わかりやすい意味を持ちます。
一方で、「最高」という言葉は、人によって意味が異なることがわかっています。
そして、言葉が意思決定を与える影響として
次の6つの心理が購買を左右すると考えられています。
- 選びやすさの法則
製品の仕様をわかりやすく・特徴を簡潔に説明することで、商品は選ばれやすくなる。 - すぐ手に入る魅力
早く届く商品ほど魅力的に感じる。製品の到着を待たなければならない期間が長くなるほど、商品を購入する理由が弱まってしまう。
SNSの弊害ともいえると思うのですが、人はどんどん待てなくなっているので、それならAmazonを利用しようかなという衝動に駆られるということです。 - みんなが選んでいる安心感
レビューや口コミは強い影響力を持つ。 - 限定されるほど欲しくなる心理
「残りわずか」と言われると欲しくなる。特に、「最高」「No.1」「人気」といった表現は、意味が曖昧です。
ですので、買い手の立場としては
「何が、どの基準で最高なのか?」と、具体的な根拠を確認することが重要です。 - 専門家への信頼
権威ある人の意見は信頼されやすい。 - 無料の魅力
「無料特典」は大きな動機になる。購入時に無料のプレゼントを付けるだけでも、たとえそれが購入内容と無関係なものであっても、強力な動機付けになり得てしまいます。
私自身も、到着が遅い商品は途中で購入をやめてしまったり、
別のサイトで早く届けてくれるところがないか探した経験があります。
行動科学が示した驚きの結果
調査では、評価の低い架空のシリアルブランドでさえ、
- 5つ星レビュー
- 20%増量無料
といった要素を加えることで、人気商品から28%の支持を獲得しました。
さらに、架空の自動車保険会社が6つすべての心理要因を活用した場合、87%の支持を得る結果となりました。
これは、人の選択が心理的な要因に大きく影響されることを示しています。
正直なところ、この仕組みを知ったとき、少し背筋が寒くなりました。
不動産などの単価の大きいもので悪用されれば、知らないことが後に損となりそうです。
売り手視点で大切な4つの行動
Messy Middleを理解することで、企業は次のような行動を取ることができます。
むしろGAFAなどは積極的にこの行動心理を使っていると思ったほうが良いということです。
売り手としては、そうした言葉に踊らされず、そして悪用せず、本当に良い商品を届ける。
誇張ではなく誠実さで選ばれる、そうした姿勢こそ、日本らしい価値観だと感じています。
それを念押ししたうえで、以下の4つの行動をとると、販路も拡大していきます。
- 思い出してもらえる存在になる
顧客が探しているときに目に入るようにする。 - 選びたくなる理由を伝える
心理学の知見を活用し、魅力を分かりやすく示す。 - 迷いを減らす仕組みを整える
購入までの不安や障壁を取り除く。 - チームで連携して顧客体験を向上させる
部門を超えて協力し、一貫したブランドを築く。
これらは、大企業だけでなく、小さなブランドにも有効です。
まとめ:選ばれるために大切なこと
Messy Middleとは、迷路のような意思決定の過程です。
重要なのは、売り込むことではありません。
選ばれる理由を整えること。
私は、マーケティングとは人を操る技術ではなく、誠実さを伝える技術だと考えています。
なぜなら、マーケティングの技術を知れば知るほど、少し複雑な思いが残るからです。
混沌とした選択の中で思い出され、信頼され、選ばれる存在になること。
これこそが、現代のマーケティングの本質なのかもしれません。